このシリーズでは、クリティカル・シンキングについて実際に自分が学んでいったこと、気付いたことを書いていきます。これから勉強する人や、なんか参考書読んでみたけどよくわからんって人の気付きになればいいなと思います。
今回のお題は、「演繹的思考」と「帰納的思考」です。
これなんかも聞いたことあるわとなるんですが、いざそれって何ってなると説明できないとなったり、いざ仕事で使ってみようと思うとうまくいかなかったりとなるので、ここで改めて理解していこうかなと思います!
演繹的思考と帰納的思考とは
そもそもこのふたつってセットで話がされることが多いですよね。
というのもこのふたつがともに、
論理展開の基本パターン
であるからです。
演繹とか帰納とかを知らなくても日常このような考え方をしているものなのです。日本語の文法について詳しくは説明できなくても日常で日本語を使いこなしているのと同じ感覚ですかね。
ただし、これらのふたつを無意識に使っていたとしても、それが論理的に話せているかというとそうではないのです。
やはり論理的に話を進めるうえでは、今自分がどのような論理展開で話を進めているのかを理解する必要があるのです。
そして、このふたつを理解することのメリットとして、自分の論理展開が明確になるだけでなく、
・理解力が増す
・反論力(質問力)が増す
といったメリットもあるのです。
ということでさっそく演繹的思考と帰納的思考について説明していきます。
演繹的思考
演繹法とは、
「2つの情報を関連付けて、そこから結論を必然的に導き出す思考法」です。三段論法とも言われます。
構成要素は、「ルールor一般論」「観察事項」そしてそこから導き出される「結論」となります。
下が概略図です。

例えば有名な例を用いますが、
人間は死ぬ【一般論】
ソクラテスは人間だ【事象】
ソクラテスは死ぬだろう【結論】
(毎度この例で殺されるソクラテス可哀そう。。。)
というのが演繹的思考になります。
ここでの注意点は、一般論やルールについてです。ここが自分の思い込みであったり、過去はそうであったが今は異なったルールである場合は、導く結論が変わってしまうため、気を付けなければなりません。
例えば、
夕焼けの次の日は晴れだ【一般論】
今日の夕焼けはきれいだ【事象】
明日は晴れだ【結論】
このような会話はどこかでしたことがあるんじゃないですかね。
ここでの一般論は、昔からの経験でそうだと思っていたのだが、実際の気象データを照らし合わせると、どうも違うぞとなった場合、結論が変わってしまいますよね。
改めてになるのですが、演繹的思考を用いる場合には、一般論やルールの置き方に気を付けていきましょう。
帰納的思考
帰納法とは、
「観察されるいくつかの事象の共通点に着目し、ルールあるいは無理なく言えそうな結論を導き出す思考法」です。
下が概略図になります。

例えですが、
アメリカへの旅行者が増えている【事象1】
ヨーロッパへの旅行者が増えている【事象2】
アフリカへの旅行者が増えている【事象3】
海外旅行者が増えている【結論】
複数の事象から、複数の共通項を見つけ出した場合は、結論も複数考えられます。
帰納法の注意点は、複数ある事象の裏にある状況/事情/メカニズムまで知っているかどうかで、結論の深さが変わってくるということです。
ざっくりとした、表面的な共通項を読み取り結論を導いた場合は、そんなの知ってるよというレベルの結論が得られません。
結論の付加価値を上げるためには、経験と知識がものをいうのが帰納法ということなのです。
事象から表面だけではなく、裏の構造を読み解くことこそが帰納的思考のカギになります。
以上、演繹的思考と帰納的思考についてでした。
導かれた結論がどちらの思考法を用いられているのかを理解することで、論理構造がよりクリアになるはずです。
いきなりわかる訳ではないので、まずは意識をしていきましょう。
それでは。